指先のピリッと感覚
子供の背中におできができたので、医者に手術してもらったところ、薬をくれて一日二三回貼り替えよとのことであった。私が薬をつけることになったら、傷口に近づけると、私の指先がピリッと痛いのを知った。気になって繰り返しても同じであった。
このピリッとする感覚は僕の父も感じていた感覚でよくそういうことを話していました。
傷口にはプラスイオンが発生し安く、傷口の回りに電位差が生じるという話を聞きました。
そうだとすると指先が電気を感じるのは、静電気のような現象として頷けるものです。
体表は一様にも見えますが、細かく見ると部分部分で様々な状態にあります。
当然電気的にも電位差が生じています。
この表皮の微細な電気の差が、気の流れや五臓六腑の状態に影響を与えています。
結核の病巣
戦中戦後は衛生状態も悪く、栄養も行き届いていなかったりして結核にかかる人も多かったことでしょう。
田中師が出会った長野出身の青年気功師は、下宿で多くの人の病気を治していました。田中師の友人が結核で入院中に悪い箇所を判定してもらうことにした。指摘された場所は写真で私の知っている場所と全く一致したのに私は驚いた。
なお余談になるが、この青年はその後間もなく気が変になり独りでは道路も歩けなくなり、遂に郷里に帰りそのままだということであった。
治療家仲間でたまに起こることですが、うけるという現象があります。
患者さんの持っている何者かを被ってしまい、治療する側の身体に悪影響がある場合があるのです。
やけどの水ぶくれ
海水浴で日焼けして水ぶくれを起こす人は少なくなりました。
日焼け止めの普及のせいか、紫外線を嫌って日光浴する人が減っているからか。
昭和の初期に田中師が経験した日焼けの治療は不思議なものでした。
背中には水ぶくれがいっぱいにできて痛く、浴衣も着れない状態になった。
タオルを私の背中にかけ、その上に両手を当てていた。30分程して手を離すと、水ぶくれはとれ、痛みも去っていた。
手から出る気はタオルを通過します。そして人体に作用していきます。
また手から出る気は単なる熱ではなく、赤外線等でもありません。熱線では火傷が悪化してしまうからです。
それが良くなっていくということは、一体どんなエネルギーが手から出るというのでしょうか。
様々な炎症に有効な作用というのは、暖かくする作用よりは冷却する作用。そして壊れた細胞や組織を修復する作用が考えられます。
生体エネルギーの不思議です。
手当て療法
田中良運先生の治療は手当て療法です。
ある種の病気、時には医学的に難病とされるもの、また人によっては医師からも見放されそうな場合にも、薬も使わず、手術もせず、手を触れるだけで治そうというのである。
とは言え、決して奢らず、科学者としての姿勢も失いません。
私は超能力の所持者とは毛頭考えていないし、医学を無視するものでは決してない。但し医学と言えども現在万全なものではないと考えている。そこで私の着想を元にして医学の進歩が僅かでも期待されるのなら私が心よりうれしく思うことである。
気功師も鍼師も、ともすると西洋医学を否定してしまいがちですが、東洋と西洋がひとつになって、病気撲滅に取り組めたら素晴らしいですね!
田中良運先生と父の出会い
田中良運先生は戦前から数学の教師をされ、戦後に今でいう学習指導要領の数学を担当された方です。
この方がリタイヤした後、岐阜のお寺を継いで住職をされつつ、気功の治療をしていました。
僕の父は恩師でもある田中先生を訪ね、苦しんでいた不眠症を手当て療法で克服しました。
そのことをきっかけとして父は気を科学的に解明すべく物理学の道に進んだのでした。
僕が鍼灸の道に入って間もないころ、父がくれた一束の原稿集があります。
田中良運先生の口述を父が筆記した記録『私の珍しい経験について』です。
物理の学生だった父が住職とともに行った実験や田中先生の臨床報告が僕に治療上のヒントを与えてくれています。
このブログで紹介していきますので是非参考になさってください。